高齢者の財産管理制度

高齢化リスク

認知症の大衆化

2025年には700万人に達するとの予測があります。(65歳以上の5人に1人)

 

少子化・相互扶助の希薄化

子供がいても1人であったり、遠距離に住んでいる等。

 

判断能力低下後の資産管理

認知症による財産凍結リスク。

判断能力低下後、認知症発症までの資産管理制度が必要。


見守り契約

精神的にも身体的にも障害がない人が、任意後見が始まるまでの間、月〇回の電話や〇か月に〇回の訪問といった形の見守りを委任し、受任者は委任者を継続的に見守る。

財産管理等委任契約

精神的には障害が無く、身体上の障害がある場合に不動産の管理や身上監護、介護、財産の処分・購入等を信頼できる人に委任する。

任意後見契約

本人の身上・療養監護・財産管理に関する法律行為を信用できる人(任意後見人)に委任する。認知症になる前に自分の意思で受任者を選ぶことができる。

成年(法定)後見制度

認知症等、精神的障害発症後、家庭裁判所に申立て、成年後見人が選任される。成年後見人に親族以外が選任される割合は平成29年度で約74%。選ばれた成年後見人が気に入らなかったとしても不服申立てはできない。

民事(家族)信託

財産の管理承継制度で身上監護に関わることはできないが、2代目3代目の受益者を定めることができる。財産所有者の意思を死後一定期間まで実現できる。



精神的に何の障害もないときに先を見据えて手を打っておく方は少ないと思いますが、認知症等になってしまってからでは法定後見制度を使うしか選択肢が無くなってしまいます。

家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てると、約74%は弁護士等の専門職が選任されます。そして、本人の財産は、本人にとって必要な支出に限られ、財産を減少させる行為はできませんので家族への経済的支援や孫への贈与などもできません。

 

自分が元気な内は、自分が認知症等になってしまってから死亡するまでの間の財産管理や身上監護をどうするかといったことまでは、まだまだ関心が薄いようです。しかし、認知症になっても身体は大丈夫といったこともありますから、その期間は意外と長いかもしれません。(10年以上あるかも)

 

そこで、本人の意思能力がしっかりしている間に、本人の財産管理や身上監護に関することを信頼できる者に委任しておく必要性が顕在化しています。


上記制度の選択(組み合わせ)と遺言を使って、「判断能力の低下~認知症~死後」における本人の意思を実現させることができます。