ケーススタディ(Q&A)

★不動産関係

相続税を支払うために相続した土地を売却しなければなりません。しかし、その土地には月極駐車場として20台分と貸倉庫が1軒、その他、借家3軒の内、2軒を賃貸で貸しています。

しかし、借家の内の1軒は、すでに退去済みで家賃も振り込まれていませんから賃貸借契約は解約となっていると思いますが、父親がどのように対応していたのか不明です。現状は空家となった借家の屋内及び屋外に大量のごみを残置したまま(室内は足の踏み場も無い状態)のゴミ屋敷状態であり、軽自動車まで放置してあります。賃借人がどこに住んでいるのかもわかりません。

このような状態のため、相続税の納税期限に間に合わせることができるのか心配です。

結果として、ゴミ屋敷の賃借人の移転先住所を調査し、面談の上、期限付きでゴミ屋敷のすべてのゴミを片付けることの確約を得て、合意書を作成しました。賃借人に途中経過の報告を求めながら、最終的に期限に間に合わせることができました。


名古屋市郊外の○○市にむかし父親が資材置場として使用していた父親の所有地があります。

以前、父親の知っている不動産会社に売却について相談をしたところ、「市街化調整区域の土地で住宅が建てられない。資材置場くらいしか利用価値が無いから400~500万円位にしかならない。」と言われました。不動産業者は隣地の所有者に購入の意思を確認したそうですが、購入する気はないとのお返事だったようです。その後、その不動産業者は、この土地の売却に興味がなくなったのか自然消滅のような形になり、今日に至っております。

この土地の売却は難しいでしょうか?

この土地は、愛知県審査会開発基準における建築物の新築許可を取得できれば住宅が建てられることがわかりましたので、当該申請を経て許可を受けることができました。結果として、他社が400~500万円程度と言っていたこの土地を、約1000万円で売却することができました。


駐車場の管理をしておりますが、1人の滞納者がいて困っております。滞納は、すでに9ヶ月分となっています。

再三の電話やメール、手紙を送っているにもかかわらず、何の返事もなく、入金もありません。

今どき、携帯を見ない人などいませんから、明らかに無視をされています。

車は駐車場にとめられたままですが、為す術がなく大変困っています。

内容証明を送付しました。

内容証明を受け取らないことを想定して、普通郵便でも同一の内容で郵送しました。

実家を離れて一応独立して生活している人間であれば、多分嫌がるであろう文言を盛り込んだ内容証明を送りましたので、まったく連絡の取れなかった滞納者から管理業者に連絡が入りました。

滞納者は車を売って、滞納していた駐車料を支払って駐車場使用契約を解約し、解決に至りました。


○○市にある実家を相続しましたが、私は名古屋市に住んでおり、仕事場との距離の問題もあり引越するつもりはありません。

できれば売却したいと思っていますが、実家は「市街化調整区域」というエリアにあるらしく、売却するにしても、その物件や買主も規定を満たさないといけないそうです。詳しいことはわかりませんがどう進めてゆけば良いでしょうか?

○○市開発審査会基準の対象となる要件に該当することを証明し、適格要件を満たす購入希望者を見つけて無事売却を完了しました。

当該許可申請には理由書や誓約書の他、敷地現況図や被相続人の除籍謄本や相続人の戸籍謄本など多数の書類を必要としましたので多くの手間がかかりましたが、売主様、買主様ともに大変喜んでいただけました。


私は賃貸マンションを所有しています。

建物管理は、名古屋市内ではそこそこ知名度のある会社に委任しています。

1階はテナントが使用しておりますが、数年前に起きた給水管からの漏水によりテナント室内の電化製品等が故障し、テナントの賃借人に損害が生じました。

私は、賃借人様の損害賠償等について対応するつもりで管理会社に対応を委ねておりましたが、担当者の対応が非常に悪く、約2年にも亘って話し合いが進まない状況となっておりました。

このたび、この賃貸マンションを売却するにあたって、この問題をどうすれば解決すれば良いのでしょうか?

 

一棟売の賃貸マンションを売却するにあたっては、既に生じているトラブルについては買主に説明しなければなりませんから、売却の前に解決しておく必要があります。

賃借人と賃貸人、管理会社に今までの経緯や進捗状況、今後の対応予定等をヒアリングした結果、管理会社の対応のお粗末さがわかりました。

そこで、賃借人の要望を確認し、管理会社に損害額の見積りをさせ、賃貸人の了承も得て賃貸人と賃借人間の合意書を作成し、無事解決に至りました。約2年間も管理会社に放置されていた賃借人は、損害に対する補償を受けることができました。

また、一棟売の賃貸マンションの売却も完了しました。

 

ここまでに過程においてオマケの話として、売却に関して管理の履歴等を確認していく中で、管理会社が請求した管理料に大きな間違いがあり、約20万円もの過払い管理料を賃貸人(賃貸マンション売主)に返還させることができました。

その他、工事未着工であるにもかかわらず工事代金を請求していたりと、とことんいい加減な管理業者でした。

 

注:当職は、書面作成を業務としております。基本的にトラブル解決には一切関わりませんので、トラブル解決は弁護士にご相談

下さい。このケースの場合、不動産業者として売却の専任を委任していただいた賃貸人(賃貸マンション売主)に協力したに過ぎません。